エクセレンテの“インテリア美論”【4】“家具”によって作られる理想の空間
ショールームで、そんな言葉をお客様から伺うことがあります。
ヨーロッパのクラシック家具に憧れていても、「素敵な洋館や輸入住宅でなければ似合わない」と、あきらめてしまう方は少なくありません。果たして本当に、“今住まわれている家”にクラシック家具は似合わないのでしょうか。第4回目は、“家”と“家具”の関係、そして理想の空間を作る上で家具が果たす役割について考えてみます。

ヨーロッパの家というと、古いお城や貴族の大邸宅を思い浮かべるかもしれません。確かに、それらはヨーロッパの歴史を象徴する美しい建築です。ですがもちろん、ヨーロッパの家具は王侯貴族のためだけに造られてきたわけではありません。昔から、一般の人々の家にもヨーロッパならではのデザインや素材で造られた家具がありました。
また、ヨーロッパの一般的な住まいの内部に目を向けてみると、意外なほどシンプルであることに気づきます。
白い漆喰の壁、木の床。
そこにソファーやテーブル、キャビネットなどの家具を置き、カーテンや照明、絵画などを加えながら、自分たちの暮らす空間をつくっていきました。
そう考えると、「白い壁」と「茶色の木の床」という組み合わせは、実は現代の日本の住宅とも、それほど大きく違わないのです。
けれど、部屋に入ったときに「クラシックな空間だ」「モダンで洗練された空間だ」と感じさせるのは、内装だけではありません。
そこにどんな家具を置くのか。そして、カーテンや照明、ラグ、絵画、小物などをどのように組み合わせるのか。
それによって、同じ白い壁、同じ木の床でも、部屋の表情は大きく変わります。
何も置かれていない部屋は、いわば白いキャンバス。そこにクラシック家具を置けば、クラシックな空間が生まれます。モダンな家具を置けば、モダンな空間になります。

つまり、「クラシック家具が似合う家」を先に用意する必要はないのです。家は、家具を置くための“器”であると同時に、家具によって表情を与えられる空間でもあります。
今ある住まいに好きな家具を置くことで、そこを「クラシック家具が似合う空間」へと変えていくことができるのです。

「この家には、こんな家具は似合わない」―そう決めつける必要はありません。「この家を、好きな家具が似合う家にしていこう」と発想を変えてみてはいかがでしょうか。
白い壁と木の床があるなら、そこはこれから何色にも染められる、素敵なキャンバスです。
そこに、ずっと憧れていた家具を一つずつ置いていく。
そうすれば、今暮らしている「家」が、少しずつ「自分だけの理想の空間」へと変わっていくはずです。
![]() 松田 恵美
(Megumi Matsuda) エクセレンテ専属 インテリアコーディネーター 登録番号:200883A |
このコラムはエクセレンテ専属インテリアコーディネーター・松田が、“住まいには日々の暮らしを心地よく、そして人生をより明るく豊かにしていく力がある”、そんな思いから綴っています。家具を選ぶことが理想の暮らし近づく第一歩となり、その先にある人生まで豊かなものになれば――。これからも、インテリアを通してお客様の暮らしに寄り添い、毎日を明るくするお手伝いをしてまいります。 |

