エクセレンテの“インテリア美論”【3】日本とイタリアの共通点 - イタリア家具が愛される理由
美味しい食事を楽しむ文化、家族を大切にする価値観、長寿社会であること、そして「古いものには価値がある」という考え方。これらは日本だけでなく、イタリアにもあてはまります。さらに、どちらの国も歴史ある建物が日常の風景に溶け込み、何百年も受け継がれてきた文化が今も暮らしの中に息づいています。
また、四季の移ろいを感じながら、季節に合わせて暮らしを楽しむ感性も共通しています。春夏秋冬を住まいや食卓、インテリアに取り入れ、美しいものに囲まれて暮らすことを大切にする姿勢は、日本人とイタリア人が共に持っている価値観なのです。
これら以外にもさまざまな分野で数多くの共通点があり、人々の根底に流れる感性や価値観の近さが、多くの日本人がイタリア家具に親しみを感じる所以なのかもしれません。家具・インテリア・デザインに注目して、さらに詳しく見ていきましょう。

日本に旭川家具、飛騨家具、大川家具などがあるように、イタリア家具も地域ごとに特色があります。
例えば北イタリアの湖水地方には、古くからヨーロッパの王侯貴族や富裕層の美しい別荘が数多く建てられてきました。その周辺に広がるブリアンツァ地方では、職人たちの技術が受け継がれ、家具づくりが発展。現在でも、世界的に知られる高級家具の産地となっています。
さらに両国には、代々受け継がれる職人文化があります。日本では寺社仏閣の建築や修復、イタリアでは教会や宮殿などの建築・装飾を通して、それぞれ高度な木工や彫刻、装飾の技術が磨かれ、職人文化の土台となってきました。地域の文化と職人の技術が家具づくりを支えてきたという点でも、日本とイタリアはとてもよく似た国なのです。
一方、日本文化も19世紀にヨーロッパへ紹介され、「ジャポニズム」という大きな流れを生み出しました。浮世絵は西洋美術に影響を与え、現代では漫画やアニメ、ゲームなど、日本文化は世界中で親しまれています。

互いに独自の文化や美意識を育みながら、それぞれの文化が海外の人々を魅了し、影響を与えてきた歴史も、日本とイタリアに共通する魅力の一つです。

それは単に〝デザインがおしゃれ”だからではありません。
本物を長く大切に使うこと、美しいものを暮らしに取り入れること、そして職人の技術を尊ぶこと。その価値観が、日本人とイタリア人には共通しているからです。
イタリア家具には、何世紀にもわたって受け継がれてきた文化や芸術、そして職人たちの誇りが息づいています。遠く離れた日本でも、そうしたものづくりの精神に共鳴する心が、長い年月の中で育まれてきたのかもしれません。だからこそ、イタリア家具はここ日本で、長く愛され続けているのでしょう。
![]() 松田 恵美
(Megumi Matsuda) エクセレンテ専属 インテリアコーディネーター 登録番号:200883A |
このコラムは、エクセレンテ専属インテリアコーディネーター・松田が、イタリアをはじめとするヨーロッパ家具を愛するお客様と、現地の家具メーカーとの懸け橋となり、お客様の日常に潤いと安らぎをお届けしたい――そんな思いの中で感じたことを綴っています。 |


